足首の捻挫(足関節捻挫)は頻繁に起こるスポーツ傷害の一つです。一度は経験したことがあるという選手も少なくないのではないでしょうか。足首の捻挫は一度受傷してしまうと足関節周辺の靱帯が傷んでしまい、足首の安定性が保たれなくなって、いわゆる「足首がゆるい」「グラグラする」「パキパキと音が鳴る」といったことが起こります。足首の不安定性を感じるだけではなく、ずっと痛みが残るといったことも起こります。

 初回捻挫時に「これぐらいならすぐ動ける」とムリをして競技復帰してしまうと、何度も足首の捻挫を繰り返してしまうといったケースもあります。これは痛みが軽くなったとしても、関節内やその周辺部が治癒していない状態であったり、安静期間に筋肉の拘縮(こうしゅく:硬くなること)が起こって、巧みな動きに対応できなくなったりしていることが考えられます。

 繰り返す足首の捻挫は、骨と骨をつなぐ靱帯の機能がやや低下していることもその一因ですが、靱帯そのものを強化することはむずかしいと言われています。そこで靱帯の機能を補うために足関節の周囲にある筋肉を鍛えるようにしましょう。足関節捻挫の9割近くを占めるという内反捻挫は、足裏が内側を向く内返し(底屈+内転+回外)の動きによって起こります。この内返し動作を抑えるために、足首外側にある腓骨筋などをチューブで鍛えたり(外転強化)、底屈動作を抑えるために足の甲を手前に引き寄せるトゥレイズなどのエクササイズ(背屈強化)を行うようにすると内反捻挫の予防につながります。チューブを使えば一人でも行うことができますし、パートナーに徒手で負荷をかけてもらいながらエクササイズを行うこともできます。

 捻挫を繰り返すようになってしまうと切り返し動作や着地時の不安定さがどうしても気になるものです。その際、必要に応じてサポーターやテーピングを行うことも一つの方法です。ただし、これは本来筋力がカバーするところを装具・テープによって代用するものなので、足首周辺部の筋力強化は継続して行うようにしましょう。「捻挫はよくあることだから」「いつもひねりやすいから」と軽く考えず、捻挫を予防するためのセルフコンディショニングをぜひ取り入れるようにしてくださいね。

文:西村 典子
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